麦茶の製造

麦茶の製造工程

ティーバッグ入り麦茶の製造工程

焙煎された麦茶は粉砕機で適度な粒に粉砕され、一定量に袋づめされパッケージされます。これらはすべてオートメーション化されています。

麦茶の加工法

クリックすると各加工法の詳細がご覧いただけます。

麦茶特有の香りと色

麦茶の原料は、国内産の小粒大麦、大粒大麦、はだか麦です。
麦茶の製造工程は複雑ではなく、精選された原料麦を焙煎機に入れ、2-3回程度、ていねいに麦の中心部まで通常200℃~280℃の高温で煎り上げて出来上がります。
煎りの加減は、麦の量や火の強さなどで調節されます。
あの特長ある香ばしい香味は大麦、はだか麦に含まれている植物性油成分を焙煎により発散させた後に、澱粉質、糖質、蛋白質の加熱により二次的にできます。
また、麦茶の色は、澱粉質、糖質、蛋白質の熱分解により生成されたものです。

麦茶の効能

胃を守り成人病の予防にもつながる。

麦茶の抽出物をテストしたところ、胃の粘膜を保護する作用や糖尿病の合併症を防ぐ効果、炎症を抑える作用など、優れた機能性があることがわかりました。

麦茶を愛飲してきた私たちの祖先の知恵には、科学的な根拠があったと言えるでしょう。

麦茶の新しい機能性を発見したのは、 静岡大学教授で農学博士の衛藤英男先生と、京都薬科大学教授で薬学博士の吉川雅之先生です。

麦の研究に力を注いでいる梶本五郎先生(神戸学院大学教授/農学博士)

抗酸化成分」が含まれていることが発見されました。

「抗酸化作用」を持つため、「ガン」「脳卒中」「心筋梗塞」「糖尿病」等の予防効果が期待されています。
また、麦茶の原料である大麦は食物繊維が豊富で鉄分に富み、他方、「カフェイン」や「タンニン」を含まないので眠れなくなることもありません。栄養価の高い麦からできた麦茶、夏に限らず、一年中飲むと良いですね。

また、麦茶の有効成分を効果的にとるには、丸粒麦茶かティーバッグ麦茶を5分以上ヤカンなどで煮出したものが良いようです。

麦茶の歴史

麦茶の原料となる大麦が日本に伝播したのはいつ頃?

大麦と人類のかかわりは大変古く、今からおよそ1万3千年前に、イラン、イラク、チグリスユーフラテス、インダス川流域の古代文明発祥地で、栽培されていたことが知られています。日本には、縄文期の末期、今から2500年ほど前に、栽培植物として伝播し、広く全国に広がったと考えられています。

日本で大麦が麦茶として飲まれるようになったのはいつ頃から?

わが国では、はやくから大麦を炒って飲料にする習慣がありました。緑茶の普及するはるか以前で、戦国の武将たちも好んで愛飲していたと伝えられています。江戸時代末期になると、麦茶は、町人衆の気軽な飲み物、お茶がわりとして商品化され今でいう喫茶店のような「麦湯店」なるものが出て、大いに繁盛したようです。人々は縁台に座って麦茶を楽しみ、話に花を咲かせたことでしょう。明治になってからも、上野・浅草・両国などの下町では、夕方から夜中まで「むぎゆ」と書いた行燈が通りに立ちならび庶民の憩いの場となっていました。
以来、親から子へ、子から孫へと親しまれ、私たちの暮らしの中にしっかりと定着しました。

麦茶が夏場によく飲まれるのはなぜですか?

夏の季語として読まれる麦茶は、まさに夏の風物詩的な趣をもつ飲み物です。香ばしさとさっぱりしたのどごしが好まれていますが、他の清涼飲料水と違い、保存料、甘味料等の添加物が一切含まれていない他、カフェインやタンニンなども含まれていません。 夏場は、身体の新陳代謝が活発になり水分を多くとりますが、水のかわりに麦茶を飲むことによって水分を補給することができ、「さっぱりとして美味しい」、安心して飲める自然飲料として多くの人に親しまれているからです。

麦茶には、どんな種類のものがありますか?

麦茶の原料は、国産の小粒大麦、大粒大麦、はだか麦です。最近では外国産(オーストラリア・カナダ)の大麦も使用しております。なお、商品としては、丸粒麦茶(いわゆる棒麦茶)ティーバックの麦茶があり、手間のかからないお手軽タイプのティーバックが圧倒的に多くなっています。 ティーバック形式の麦茶は、煮だすタイプと冷水に直接入れるタイプに分かれます。さらに、好きな時に飲める紙パックや缶入りの麦茶もあり、麦茶の形態もバラエティーに富んできました。